Access には、1 つのデータベースから別のデータベースにテーブルやフォームなどのオブジェクトをコピーする方法がいくつか用意されています。 オブジェクトをコピーして貼り付けるのが最も簡単ですが、オブジェクトをエクスポートする方法の方が多くのオプションを利用できます。 たとえば、テーブル定義とテーブル内のデータをエクスポートすることも、テーブル定義のみ (テーブルの空白のコピー) をエクスポートすることもできます。 将来使用できるように、操作の詳細をエクスポート定義として保存することもできます。
概要
テーブル、クエリ、レポート、マクロ、モジュールを Access データベースから別のデータベースにエクスポートすることができます。 オブジェクトをエクスポートすると、エクスポート先のデータベース内にオブジェクトのコピーが作成されます。
次のいずれかのタスクを実行する必要がある場合は、データベース オブジェクトをエクスポートします。
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新しいテーブルを作成するためのショートカットとしてデータベースの構造を別のデータベースにコピーする。
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新しいフォームまたはレポートを簡単に作成する方法としてフォームまたはレポートのデザインとレイアウトを別のデータベースにコピーする。
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最新バージョンのテーブルまたはフォームを別のデータベースに定期的にコピーする。 この操作を行う場合、オブジェクトを最初にエクスポートするときにエクスポート定義を作成し、その定義を使用して後で操作を繰り返すことができます。
オブジェクトを別のデータベースにエクスポートする操作は、2 つ目のデータベースを開いて最初のデータベースからオブジェクトをインポートする操作とは少々異なります。 Access データベース間のオブジェクトのインポートとエクスポートには、次の 2 つの主な違いがあります。
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1 回の操作で複数のオブジェクトをインポートできますが、1 回の操作で複数のオブジェクトをエクスポートすることはできません。 複数のオブジェクトを別のデータベースにエクスポートする必要がある場合は、エクスポート先のデータベースを開いて、そのデータベース内でインポート操作を実行する方が簡単です。
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データベース オブジェクトに加えて、テーブル間のリレーションシップ、あらゆるインポート定義やエクスポート定義、メニュー バーやツールバーもインポートできます。 クエリをテーブルとしてインポートすることもできます。 エクスポートではこれらのオプションは使用できません。
Access データベースへのオブジェクトのインポートに関する情報については、 「データベース オブジェクトを現在の Access データベースにインポートする」を参照してください。
エクスポートの準備を行う
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ソース データベースがまだ開かれていない場合は、そのデータベースを開きます。 ファイル形式には MDB または ACCDB を使用できます。 ファイルが MDE または ACCDE 形式である場合、ソース オブジェクトとしてテーブル、クエリ、またはマクロのみを使用できます。 MDE ファイルまたは ACCDE ファイルからフォーム、レポート、モジュールをエクスポートすることはできません。
注: データベースが読み取り専用である場合またはデータベースを変更する権限を持っていない場合は、エクスポート操作は実行できますが、エクスポート定義を保存することはできません。
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エクスポートするオブジェクトを識別します。 初めてデータをアクセスデータベースにエクスポートする場合は、次の点に注意してください。
要素
説明
1 回の操作で 1 つのオブジェクト
一度にエクスポートできるオブジェクトは 1 つだけです。 複数のオブジェクトをエクスポートする場合は、オブジェクトごとにエクスポート操作を繰り返すか、エクスポート先のデータベース内でインポート操作を実行します。
新規テーブル
エクスポート操作を実行するたびにエクスポート先のデータベース内に新しいオブジェクトが作成されます。 同じ名前のオブジェクトが既に存在している場合は、既存のオブジェクトの上書きを選ぶか、新しいオブジェクトに別の名前を付けることができます。
注: エクスポート操作では既存のテーブルにレコードを追加することはできません。 レコードを追加する場合は、追加クエリの作成を検討してください。 詳細については、記事「追加クエリを使用してテーブルにレコードを追加する」を参照してください。
リンクされたテーブルのエクスポート
エクスポートするテーブルがリンクされたテーブルである場合は、エクスポート操作を実行すると、エクスポート先のデータベース内にリンクされたテーブルが作成されます。 新しいリンクされたテーブルは元のソース テーブルにリンクされます。
たとえば、Sales データベース内の Employees1 テーブルが Payroll データベース内の Employees テーブルにリンクされている場合、エクスポート操作を実行するとエクスポート先のデータベース内にリンクされたテーブルが作成されます。 新しいリンクされたテーブルは、Payroll データベース内の Employees テーブルに直接リンクされます。
部分的なエクスポート
オブジェクトの一部分や、選んだレコードだけをエクスポートすることはできません。
リレーションシップ
1 回の操作でエクスポートできるテーブルは 1 つだけであるため、エクスポート操作ではリレーションシップはコピーされません。 複数のテーブルとそのリレーションシップをインポートする場合は、インポート先のデータベースを開き、そのオブジェクトをインポートします。
テーブル定義
テーブル全体またはテーブル定義だけをエクスポートすることができます。 定義をエクスポートすると、エクスポート先のデータベースにそのテーブルの空白のコピーが作成されます。
レコード ソース
クエリ、フォーム、またはレポートのエクスポート時に、その基になるレコード ソースが自動的にエクスポートされることはありません。 クエリ、フォーム、レポートを正しく動作させるには、基になるレコード ソースを手動でエクスポートする必要があります。
ルックアップ フィールド
ソース テーブル内のフィールドが別のテーブルまたはクエリ内の値を検索する場合、エクスポート先フィールドにこの値を表示するには、関連テーブルまたは関連クエリをエクスポートする必要があります。 関連テーブルや関連クエリをエクスポートしないと、エクスポート先のフィールドにはルックアップ ID しか表示されません。
サブフォームとサブレポート
フォームやレポートのエクスポート時に、その下位のサブフォームやサブレポートが自動的にエクスポートされることはありません。 サブフォーム、サブレポート、それらの基になるレコード ソースは、それぞれ個別にエクスポートする必要があります。
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リンク先のデータベースを開きます。 ファイル形式には MDB または ACCDB を使用できます。 MDE ファイルまたは ACCDE ファイルも使用できます。 データベースが読み取り専用ではなく、このデータベースの変更が許可されていることを確認します。
注:
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データベースを開くことができない場合は、他のユーザーが排他モードでそのデータベースを開いている可能性があります。 通常は、そのユーザーを見つけ、データベースを閉じて通常 (マルチユーザー) モードでもう一度開くように依頼する必要があります。
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データベースがパスワードで保護されている場合は、エクスポート ウィザードや保存済みの定義を実行するたびに、パスワードの入力を求められます。
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オブジェクトを新しいデータベースにエクスポートする場合は、エクスポート操作を開始する前に、テーブル、フォーム、レポートなどを含まない空のデータベースを作成しておく必要があります。
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エクスポート先のデータベース内にソース オブジェクトと同じ名前のオブジェクトが存在する場合は、既存のオブジェクトを上書きするか、新しいオブジェクトに別の名前を付けるかを決める必要があります。
これでエクスポート操作の準備ができました。 次の手順に進みます。
データベース オブジェクトを別の Access データベースにエクスポートする
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[外部データ] タブの [エクスポート] グループで、[Access] をクリックします。
ヒント: ナビゲーション ウィンドウのオブジェクトを右クリックし、[エクスポート]、[Access] の順にクリックする方法でもエクスポート プロセスを開始できます。
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[エクスポート - Access データベース] ダイアログ ボックスが開きます。
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[エクスポート - Access データベース] ダイアログ ボックスの [ファイル名] ボックスで、エクスポート先のデータベースの名前を指定し、[OK] をクリックします。
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エクスポート先のデータベース内にある同じ名前のオブジェクトを上書きしない場合は、[エクスポート] ダイアログ ボックスで新しいオブジェクトの名前を変更します。
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テーブルをオブジェクトとして選択した場合は、テーブル定義だけをエクスポートするのか、テーブル定義とテーブル データをエクスポートするのかを指定します。
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[OK] をクリックし、操作を終了します。
エクスポート先のデータベースに同じ名前のオブジェクトが存在する場合、このオブジェクトを上書きするか、別の名前を指定するかを確認するプロンプトが表示されます。 [はい] をクリックして上書きするか、[いいえ] をクリックして [エクスポート] ダイアログ ボックスに戻ります。 エクスポート先のデータベース内で使用されていない名前を指定して、[OK] をクリックします。
オブジェクトがエクスポートされます。 エラーが発生した場合は、Access によってエラー メッセージが表示されます。 それ以外の場合は、ウィザードの最後の画面が表示されます。エクスポート操作の詳細を保存して仕様書にする必要がある場合は、その画面を使用します。
他に必要な情報はありますか?
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エクスポートの詳細を保存して仕様書を作り、後に再利用する方法については、「インポートやエクスポートの操作の詳細を定義として保存する」の記事を参照してください。
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保存済みのエクスポート定義を実行する方法の詳細については、「保存済みのインポート操作またはエクスポート操作を実行する」の記事を参照してください。
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スケジュールを設定して任意の時刻で実行する方法の詳細については、「インポート操作やエクスポート操作のスケジュールを設定する」を参照してください。
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定義名の変更、定義の削除、定義のソース ファイル名の更新を行う方法の詳細については、「データ操作を管理する」の記事を参照してください。