ここでは、Microsoft Excel の DB 関数の書式および使用法について説明します。
説明
定率法 (Fixed-declining Balance Method) を利用して、特定の期における資産の減価償却費を返します。
書式
DB(取得価額, 残存価額, 耐用年数, 期間, [月])
DB 関数の書式には、次の引数があります。
-
価格 必ず指定します。 資産を購入した時点での価格を指定します。
-
残存価額 必ず指定します。 耐用年数が終了した時点での資産の価格 (資産の救済価額) を指定します。
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耐用年数 必ず指定します。 資産を使用できる年数 (資産の寿命年数) を指定します。
-
期間 必ず指定します。 減価償却費を計算する期間を指定します。 期間には耐用年数と同じ単位を使用する必要があります。
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月 省略可能です。 資産を購入した期 (年度) の月数を指定します。 省略すると、12 を指定したと見なされます。
解説
-
定率法では、固定利率で減価償却費が計算されます。 DB では、次の数式を使用して 1 期間の減価償却費が計算されます。
(取得価額 - 前期までの償却累計額) * 償却率
ここで
償却率は、1 - ((残存価額/取得価額) ^ (1/耐用年数)) で計算され、小数点第 3 位で四捨五入されます。
-
最初の期と最後の期に対する減価償却費を求める場合は、他の数式が使用されます。 最初の期に対する減価償却費は、次の数式で表されます。
取得価額 * 償却率*月/12
-
最後の期に対する減価償却費は、次の数式で表されます。
((取得価額 - 前期までの償却累計額) * 償却率 * (12 - 月))/12
使用例
次の表のサンプル データをコピーし、新しい Excel ワークシートのセル A1 に貼り付けます。 数式を選択して、F2 キーを押し、さらに Enter キーを押すと、結果が表示されます。 必要に応じて、列幅を調整してすべてのデータを表示してください。
データ |
説明 |
|
¥1,000,000 |
取得価額 |
|
¥100,000 |
残存価額 |
|
6 |
耐用年数 |
|
数式 |
説明 |
結果 |
=DB(A2,A3,A4,1,7) |
月を 7 に指定した場合の 1 年目の減価償却費を計算します |
¥186,083.33 |
=DB(A2,A3,A4,2,7) |
2 年目の減価償却費を計算します |
¥259,639.42 |
=DB(A2,A3,A4,3,7) |
3 年目の減価償却費を計算します |
¥176,814.44 |
=DB(A2,A3,A4,4,7) |
4 年目の減価償却費を計算します |
¥120,410.64 |
=DB(A2,A3,A4,5,7) |
5 年目の減価償却費を計算します |
¥81,999.64 |
=DB(A2,A3,A4,6,7) |
6 年目の減価償却費を計算します |
¥55,841.76 |
=DB(A2,A3,A4,7,7) |
月を 5 に指定した場合の 7 年目の減価償却費を計算します |
¥15,845.10 |