計算が実行される順序が数式の戻り値に影響することがあるため、演算の実行順序の決定方法、および必要な結果を得るための実行順序の変更方法を理解しておくことは重要です。
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計算の順序
数式では、特定の順序で値が計算されます。 Excel の数式は、常に等号 (=) で開始します。 Excel では、等号の後に続く文字を数式として解釈します。 等号の後に、定数やセル参照など、計算対象の要素 (オペランド) が続きます。 これらの要素を演算子で区切ります。 Excel では、数式内のそれぞれの演算子の優先順位に基づいて、左から順に数式が計算されます。
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Excel の数式の演算子の優先順位
1 つの数式で複数の演算子を使用する場合、次の表に示した順序で計算が実行されます。 数式に同じ優先順位の演算子が含まれている場合 (たとえば、数式に乗算演算子と除算演算子の両方が含まれている場合)、Excel は演算子を左から右に評価します。
演算子
説明
: (コロン)
(スペース 1 つ)
, (カンマ)
参照演算子
–
負の値 (-1 など)
%
パーセンテージ
^
累乗
* および /
乗算または除算
+ または -
加算または減算
&
文字列の結合または連結
=
< > <= >= <>比較演算子
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Excel 数式でのかっこの使用
計算順序を変更するには、最初に計算を実行する必要のある数式の要素をかっこで囲みます。 たとえば、次の数式では、加算の前に乗算が実行されるため、結果として 11 が返されます。 つまり、この数式ではまず 2 と 3 が乗算され、その結果に 5 が加算されます。
=5+2*3
上の数式にかっこを使用して構文を次のように変更すると、まず 5 に 2 が加算され、その結果に 3 が乗算されるため、計算結果は 21 になります。
=(5+2)*3
次の例では、式の最初の部分を囲むかっこにより、セル B4 の値に 25 が加算され、その結果がセル D5、E5、および F5 の合計値で除算されます。
=(B4+25)/SUM(D5:F5)